住宅ローン5000万円はきつい?年収別の返済負担と銀行員が見るポイント

「住宅ローン5,000万円ってきつい?」

住宅価格が高くなっている今、5,000万円前後の住宅ローンを検討している人も珍しくありません。

ただ、5,000万円という金額だけを見て、

「高すぎる」

「年収○万円なら大丈夫」

と判断するのは少し違うと私は思っています。

銀行員として住宅ローンを考えるときに重要なのは、

「5,000万円借りられるか」ではなく「5,000万円を無理なく返し続けられるか」

です。

今回は5,000万円を35年間借りた場合の返済額を、金利0.8%・1.8%・3.0%でシミュレーション。

さらに年収600万円・800万円・1,000万円の場合、年間返済額が年収に対してどのくらいになるのかを計算してみます。

※シミュレーションは元利均等返済・35年・ボーナス返済なしの概算です。実際の返済額や審査基準は金融機関・商品・借入条件などによって異なります。

【結論】5,000万円がきついかは「年収」だけでは決まらない

最初に結論です。

住宅ローン5,000万円がきついかどうかは、年収だけでは判断できません。

同じ年収800万円でも、

・子どもがいるか
・共働きか
・車を所有しているか
・教育費がどれくらい必要か
・マンションの管理費や修繕積立金はいくらか
・現在の貯蓄はいくらあるか

などによって家計の余裕はまったく違います。

そして変動金利を利用するなら、

現在の金利で返せるかだけでなく、金利が上がっても返せるか

まで考える必要があります。

5,000万円を35年で借りると毎月いくら?

まず、住宅ローン5,000万円を35年間借りた場合を計算します。

金利0.8%の場合

毎月返済額:約13万7,000円
年間返済額:約164万円

金利1.8%の場合

毎月返済額:約16万1,000円
年間返済額:約193万円

金利3.0%の場合

毎月返済額:約19万2,000円
年間返済額:約231万円

金利0.8%と3.0%では、

毎月約5万6,000円

の差があります。

年間なら約67万円です。

5,000万円という大きな住宅ローンになると、金利の違いが家計に与える影響もかなり大きくなります。

年収600万円で5,000万円借りる場合

まず年収600万円の場合です。

年間返済額を額面年収で割って単純計算すると、

金利0.8% → 約27%
金利1.8% → 約32%
金利3.0% → 約38%

となります。

ここで注意したいのが、

年収600万円=年間600万円を自由に使えるわけではない

ということです。

税金や社会保険料が引かれ、そこから生活費、教育費、保険料、車の費用なども支払います。

さらにマンションなら管理費・修繕積立金なども住宅ローンとは別に必要です。

そのため、個人的には年収600万円で5,000万円の住宅ローンを検討するなら、かなり慎重に家計をシミュレーションしたいところです。

年収800万円で5,000万円借りる場合

次に年収800万円です。

年間返済額の年収に対する割合は、

金利0.8% → 約20%
金利1.8% → 約24%
金利3.0% → 約29%

です。

年収600万円と比べると余裕は出てきます。

ただし、

「年収800万円なら5,000万円は余裕」

とまでは言えません。

例えば子どもが2人いて、これから教育費が増える家庭。

車を所有している家庭。

管理費・修繕積立金・駐車場代が高いマンション。

こうした家庭では、住宅関連費を合計すると負担が大きくなります。

逆に共働きで収入が安定していて、十分な貯蓄もあるなら状況は変わります。

結局、年収だけでは判断できないのです。

年収1,000万円で5,000万円借りる場合

年収1,000万円なら、

金利0.8% → 約16%
金利1.8% → 約19%
金利3.0% → 約23%

となります。

数字だけを見ると年収600万円・800万円より余裕があります。

ただ、ここでも同じです。

年収1,000万円だからといって、

「5,000万円なら絶対に大丈夫」

とは言えません。

生活水準が高ければ支出も大きくなりますし、教育費や車、旅行などにお金を使いたい家庭もあります。

住宅ローンだけ払えれば人生が成立するわけではありません。

「審査に通る金額」と「無理なく返せる金額」は違う

ここは住宅ローンを考えるうえで、かなり重要です。

住宅ローンには「返済負担率」という考え方があります。

簡単にいうと、

年収に対して年間のローン返済額がどれくらい占めるか

という数字です。

例えばフラット35では、年収400万円以上の場合、すべての借入れを含めた総返済負担率35%以下という基準があります。

ただし、

「35%以下だから家計的にも余裕」という意味ではありません。

これはあくまで住宅ローンの商品上の基準です。

金融機関によって審査方法や基準も異なります。

銀行員としても、

借りられる金額と、無理なく返せる金額は別物

として考えた方がいいと思います。

住宅ローン以外にも「家にかかるお金」がある

特に住宅購入で忘れやすいのがこれです。

毎月支払う住宅関連費は、住宅ローンだけではありません。

マンションなら、

・管理費
・修繕積立金
・駐車場代

などがあります。

さらに、

・固定資産税
・火災保険
・地震保険
・将来の家具家電の買い替え

などもあります。

例えば住宅ローンが月15万円でも、管理費・修繕積立金・駐車場などを合わせて月5万円かかれば、

実質的な住宅関連支出は月20万円

です。

「住宅ローン月15万円なら払える」

ではなく、

家を持つことで毎月いくら出ていくのか

まで考えた方がいいでしょう。

子どもがいる家庭は「今」より10年後を見る

銀行員として住宅ローンを考えるとき、個人的にかなり重要だと思うのが教育費です。

住宅を購入する30代では、子どもがまだ小さい家庭も多いです。

この時期は、

「今の収入なら住宅ローンを払える」

と感じるかもしれません。

しかし10年、15年後には、

中学
高校
大学

と教育費が増えていきます。

住宅ローンはその頃にも残っています。

だから、

現在の家計だけでなく、将来支出が増えたときにも住宅ローンを返せるか

まで考えておきたいところです。

変動金利なら「金利が上がった世界」も計算しておく

現在の低い変動金利で5,000万円を借りる場合、私は必ず金利上昇後の返済額も見ておいた方がいいと思っています。

今回のシミュレーションでは、

金利0.8% → 月約13.7万円

ですが、

金利1.8% → 月約16.1万円
金利3.0% → 月約19.2万円

です。

もちろん、実際に借入中の変動金利が上昇した場合、残高や残存期間、5年ルールの有無などによって返済額の動きは異なります。

重要なのは正確に未来を予想することではありません。

「もし返済負担がこれくらい増えても生活できるか?」

を住宅購入前に考えておくことです。

銀行員の私が見るのは「住宅ローンを払った後」

個人的には、住宅ローンの相談で本当に重要なのは、

「住宅ローンを払えるか」ではなく「住宅ローンを払った後にどんな生活ができるか」

だと思っています。

住宅ローンを返すために、

旅行に行けない。

子どもの教育費を削る。

貯金がまったくできない。

趣味にもお金を使えない。

毎月給料日前になるとお金がギリギリ。

これでは、せっかく家を買っても生活そのものが苦しくなってしまいます。

住宅ローンは人生の目的ではありません。

家族が生活するための手段です。

だからこそ、

「銀行がいくら貸してくれるか」より「自分はいくらなら余裕を持って返せるか」

を基準に考えることをおすすめします。

まとめ|5,000万円がきついかは「返した後の生活」で判断する

住宅ローン5,000万円を35年間借りた場合、

金利0.8% → 月約13.7万円
金利1.8% → 月約16.1万円
金利3.0% → 月約19.2万円

が一つの目安になります。

そして年収に対する年間返済額の割合だけを見ると、

年収600万円では約27~38%
年収800万円では約20~29%
年収1,000万円では約16~23%

程度になります。

ただし、この数字だけで、

「借りられる」

「無理」

を決めることはできません。

大切なのは、

住宅ローンを払った後にも、貯蓄をしながら自分たちが望む生活を続けられるか。

私はここだと思っています。

5,000万円借りられるかではなく、

5,000万円を返しながら、どんな生活ができるのか。

住宅ローンを検討するときは、ぜひそこまでシミュレーションしてみてください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品・金融機関の利用を推奨するものではありません。返済額は一定条件による概算です。住宅ローンの審査基準・金利・商品条件等は金融機関によって異なります。

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