住宅ローンの変動金利を検討していると、
「これから金利が1%上がったら、返済ってどれくらい増えるの?」
と気になる人も多いと思います。
銀行員としてお客さまと話していても、「金利が上がるのが怖い」という声はよくあります。
でも重要なのは、単に「金利上昇が怖い」と考えることではなく、
実際に金利が1%上昇したら、自分の家計にどれくらい影響するのか
を数字で把握することです。
そこで今回は、住宅ローン金利が年0.8%から年1.8%へ1%上昇した場合、毎月の返済額がどのくらい変わるのかを計算します。
※本記事のシミュレーションは、返済期間35年・元利均等返済・ボーナス返済なしとして計算した概算です。実際の返済額は金融機関や商品、借入条件などによって異なります。
【結論】金利が1%上がると返済額はこれくらい増える
まず結果から見てみましょう。
| 借入額 | 金利0.8% | 金利1.8% | 毎月の差 |
|---|---|---|---|
| 3,000万円 | 約81,900円 | 約96,300円 | 約14,400円 |
| 5,000万円 | 約136,500円 | 約160,500円 | 約24,000円 |
| 7,000万円 | 約191,100円 | 約224,800円 | 約33,600円 |
借入額5,000万円なら、金利が1%違うことで毎月の返済額には約2.4万円の差が出ます。
年間なら約29万円です。
7,000万円なら毎月約3.4万円、年間では約40万円の差になります。
住宅ローンの金利で「1%」と聞くと小さく感じるかもしれません。
しかし、数千万円を35年間借りる住宅ローンでは、家計への影響は決して小さくありません。
借入額が大きいほど金利上昇の影響も大きい
当然ですが、住宅ローンの借入額が大きいほど金利上昇の影響も大きくなります。
3,000万円なら月約1.4万円の差ですが、7,000万円では月約3.4万円です。
だから変動金利で住宅ローンを組むときは、
「今の金利なら払えるか」だけで判断しない
ことが重要だと私は考えています。
例えば現在の返済額が月15万円だったとして、
「月15万円なら払える」
ではなく、
「金利が上昇して月17万円、18万円になっても家計は大丈夫か」
まで考えておく。
これが変動金利を選ぶうえで大切です。
ただし「金利が1%上がる=翌月から返済額がこれだけ増える」ではない
ここはかなり重要です。
先ほどの表は、
住宅ローンを最初から0.8%で借りた場合と、最初から1.8%で借りた場合
を比較したシミュレーションです。
すでに変動金利で住宅ローンを返済している人の金利が0.8%から1.8%になったからといって、必ず翌月から先ほどの表の返済額になるわけではありません。
なぜなら、変動金利型住宅ローンには金融機関や商品によって「5年ルール」があるからです。
5年ルールがあると返済額はすぐには増えない
変動金利・元利均等返済の住宅ローンでは、金融機関によって「5年ルール」が設けられています。
これは簡単にいうと、
金利が変わっても、毎月の返済額を5年間変更しない
という仕組みです。
そのため、
「住宅ローン金利が上がった!」
というニュースを見ても、翌月から住宅ローン返済額がいきなり増えるとは限りません。
ただし、ここには大きな注意点があります。
返済額が同じでも「利息」は増えている
5年ルールで毎月の返済額が変わらなかったとしても、
金利上昇の影響がなくなったわけではありません。
例えば毎月15万円返済していたとします。
金利上昇前は、
元金:12万円
利息:3万円
だったものが、金利上昇によって、
元金:10万円
利息:5万円
のように変化するイメージです。
※数字は仕組みを説明するための例です。
毎月支払う15万円は同じです。
しかし、その中で利息に充てられる金額が増えるため、元金の減るスピードが遅くなります。
これが、
「5年ルールがあるから金利が上がっても大丈夫」
とは言えない理由です。
「125%ルール」も金利上昇をなくしてくれる制度ではない
5年ルールと一緒によく出てくるのが「125%ルール」です。
金融機関によっては、5年後に返済額を見直す際、金利が大きく上昇していても新しい返済額を以前の125%までに抑える仕組みがあります。
例えば月10万円なら、見直し後の返済額は最大12万5,000円というイメージです。
ただしこれも、
利息を免除してくれる制度ではありません。
あくまで毎月の返済額が急激に上昇するのを抑える仕組みです。
金利上昇による利息負担そのものがなくなるわけではありません。
5年ルール・125%ルールがない住宅ローンもある
そしてもう一つ注意したいのが、
すべての変動金利型住宅ローンに5年ルール・125%ルールがあるわけではない
ということです。
金融機関や返済方法によって取り扱いは異なります。
そのため変動金利を選ぶときは、表示されている金利だけでなく、
・金利はいつ見直されるのか
・返済額はいつ変わるのか
・5年ルールはあるのか
・125%ルールはあるのか
まで確認しておくことをおすすめします。
銀行員として思うのは「1%上がっても払えるか」を考えておくこと
私は前の記事で、自分が今住宅ローンを組むなら変動金利を選ぶと書きました。
現在の変動金利と固定金利の金利差を考えると、私は金利上昇リスクを取ってでも変動を選ぶからです。
ただし、
「変動金利を選ぶ=今の低い返済額が35年間続く前提で住宅ローンを組む」
ではありません。
むしろ逆です。
変動金利を選ぶのであれば、
金利が1%上がった場合でも返済できるか
くらいは、住宅ローンを組む前にシミュレーションしておいた方がいいと思います。
5,000万円借りるなら月約2.4万円。
7,000万円なら月約3.4万円。
この程度返済負担が増えても家計に余裕があるのか。
ここまで確認して初めて、「自分は変動金利を選べる」と判断する。
私はそれくらいの考え方がちょうどいいと思っています。
まとめ|金利上昇を怖がる前に数字にしてみよう
住宅ローン金利が0.8%から1.8%へ上昇した場合、35年返済で単純比較すると、
3,000万円 → 月約1.4万円増
5,000万円 → 月約2.4万円増
7,000万円 → 月約3.4万円増
となります。
もちろん実際に借入中の変動金利が上昇した場合は、残高や残りの返済期間、返済方法、5年ルールなどによって影響は変わります。
だからこそ、
「金利が上がりそうだから怖い」
だけで終わらせるのではなく、
「自分の場合、1%上がったらいくら増えるのか」
を一度計算してみることをおすすめします。
住宅ローンは数十年続くものです。
今払えるかだけではなく、
金利が上昇しても払える借入額なのか。
そこまで考えて住宅ローンを選ぶことが大切です。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の金融商品・金融機関・金利タイプを推奨するものではありません。シミュレーションは一定条件に基づく概算です。実際の契約条件については各金融機関の公式情報をご確認ください。

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